西新井駅前、整形外科、リハビリテーション科、ペインクリニック内科の足立区西新井にある帝都メディカルクリニック西新井駅前院
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脊柱管狭窄症とは
ここでは好発する腰部脊柱管狭窄症についてお話しします。
腰部脊柱管狭窄症は、脊柱管(脊椎にある脊髄や馬尾神経の通り道)が周囲の靭帯の肥厚や腰椎の変形などによって狭まり、神経根(脊髄から出ている神経の根元)や馬尾(脊髄が下部腰椎で神経の束に変わったもの)を圧迫し障害を生じている状態です。
60歳代以上に好発します。症状は、腰痛、下肢痛、下肢のしびれ・筋力低下、膀胱・直腸障害です。
とくに背中を後方に伸ばしたりすると症状が増悪し、反対に前方に屈むと症状が和らぎます。これは前屈することで脊柱管後方の黄色靭帯が伸展され、狭窄が解除されるためです。
また、歩行したり長時間立位でいることで症状が誘発されます。これを間欠性跛行(かんけつせいはこう)と呼び、腰部脊柱管狭窄症の最大の特徴となります。間欠性跛行を起こす疾患は、他にも閉塞性動脈硬化症がありますので、医師による丁寧な診察が診断には不可欠です。
腰部脊柱管狭窄症の治療
腰椎椎間板ヘルニアの治療は、薬物療法、リハビリテーション、ブロック療法をはじめとする保存療法がまず選択されます。
薬物療法では、症状を緩和する目的で消炎鎮痛剤やプレガバリンを使用します。
消炎鎮痛剤には、アセトアミノフェンや非ステロイド性消炎鎮痛薬が用いられます。プレガバリンは神経障害性疼痛(神経が圧迫された事による痛み・しびれ)に対して用いられる第1選択薬です。
また、腰部脊柱管狭窄症による下肢の症状がある場合、リマプロストアルファデクスという薬を用います。これは下肢に向かう動脈を拡張させて、下肢の筋肉へ還流する新鮮な血液の量を増加させて症状の発現を抑える働きがあります。
当院では漢方薬による治療も積極的に取り入れており、牛車腎気丸(ごしゃじんきがん)や疎経活血湯(そけいかっけつとう)を用いています。前者は古くから腰下肢痛に用いられており、加齢による諸症状の改善に有効です。最近の研究では、脊髄内オピオイド受容体の活性なども示唆されており科学的にも鎮痛作用を有していることが示されてきています*。後者は、末梢循環を改善しつつ筋肉を緩める働きがあり、間欠性跛行を軽減することが期待されます。
リハビリテーションでは体幹部や下肢の筋緊張を和らげるように、ストレッチを行ったり筋力増強訓練を行います。疼痛によって筋緊張が亢進して症状がさらに強くなっている例もありますので、リハビリテーションによってより症状を取りやすくする環境を整えます。腰痛症状が強い場合は、腰部にコルセットを使用して局所の安静を図ります。
腰部脊柱管狭窄症に対して有効なブロック療法に腰部硬膜外ブロックがあります。薬物療法、リハビリテーションが無効な症例や、症状が強く日常生活にまで影響のある場合にブロックを用います。
これらの保存療法を2〜6ヶ月間行っても症状が消失しない場合、外科的治療が考慮されます。また、発症初期であっても、下肢の著明な筋力低下・感覚低下、膀胱・直腸障害を認める場合は緊急手術となることがあります。
*:Suzuki Y, et al. Antinociceptive effect of Gosha-jinki-gan, a Kampo medicine, in streptozotocin-induced diabetic mice. Jpn J Pharmacol. 1999;79:169-175.