帝都メディカルクリニック西新井駅前院

 東京都足立区西新井栄町2丁目3−3

 さくら参道ビル4階

​ (西新井駅西口 パサージオ向かい)

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薬物療法に用いられる薬剤

痛みの治療には様々な薬剤が用いられます。主に西洋薬と東洋薬(漢方)に分類され、当院ではどちらも治療に役立てています。

西洋薬は痛みのメカニズムに合わせて、原因に対してダイレクトに作用するため効果が出やすく、即効性がある薬剤が多いです。そのぶん副作用を伴うことがありますので、服用には注意が必要です。

東洋薬は痛み自体を取り去るというよりも、痛みを生じる身体の調子全体を中道の状態(=偏っていない状態)に戻していくというアプローチになるので、効くまでに時間がかかることが多いです。身体全体に作用するため、痛み以外の不調まで治ることもしばしば経験します。中には注意すべき副作用もありますが、総じて身体に優しい薬剤が多いです。

そのほか、サプリメントなども一般に販売されていますが、当院では根拠に基づく保険診療を第一にしておりますので各種サプリメントの使用は積極的には推奨しておりません。

痛み治療に用いる西洋薬

原因により使用する薬剤は異なりますが、よく使用される処方薬についてまとめます。

非ステロイド性消炎鎮痛薬(NSAIDs):

炎症を引き起こす物質の産生を抑え、痛みを取り除きます。炎症による痛みには非常によく効きます。体内のプロスタグランジン1(PG1)からPG2へ変換されると炎症が起こりますが、NSAIDsはその変換酵素であるシクロオキシゲナーゼ(COX)を阻害することで炎症を抑制します。

鎮痛にはCOX-2が大きく関わる反面、COX-1は粘膜保護に関わります。NSAIDsはCOXを全て阻害してしまうので、胃潰瘍や口内炎などを引き起こすリスクがあり胃薬を併用します。セレコキシブのようにCOX-2を選択的に抑え込む薬剤も出てきていますので、当院では積極的に使用を勧めています。

例;セレコックス、ロキソニン、ボルタレン

アセトアミノフェン:

NSAIDsのようにCOXを抑制しますが、炎症に関わるCOX-2ではなく、脳内の神経伝達に関わるCOX-3を抑制するとされています。痛み情報が伝わりづらくなるため痛みを感じにくくなりますが、炎症を抑える効果はNSAIDsに劣るため鎮痛効果を弱く感じるかもしれません。NSAIDsは基本的に腎代謝の薬物であるため腎機能障害がある場合には使用できませんが、アセトアミノフェンは肝代謝なので安心して使用できます。

例;カロナール

弱オピオイド製剤:

オピオイド受容体に作用して鎮痛効果を発揮する薬です。オピオイドは医療用麻薬の総称で、モルヒネなどが代表例です。オピオイド受容体への作用が強くなれば鎮痛効果が高くなりますが、その反面、眠気や便秘、吐き気などの副作用を生じます。オピオイド受容体に弱く効く製剤を弱オピオイドといい、鎮痛薬として用います。

副作用を予防するため、制吐剤や緩下剤を併用することがあります。

例;トラマール、トラムセット、ワントラム、ブプレノルフィン

抗けいれん薬:

痛みのうち神経が侵されて痛むものを「神経障害性疼痛」と呼びます。神経障害性疼痛は、チリチリやチクチクといった痛み症状が特徴です。この神経障害性疼痛は、NSAIDsなどの通常の痛み止めが効きにくいため、神経の活動を抑える特別な処方薬が必要になります。プレガバリンは脊髄に働きかけ、神経からくる痛みを抑制し痛みを抑えます。

例;リリカ、タリージェ(2019年4月15日より処方可能)

抗うつ薬:

抗うつ薬の中には、脳の中脳水道周囲灰白質(PAG)と呼ばれる領域に作用し、下行性抑制系の神経を活性化させることで痛みを抑えるものがあります。下行性抑制系​は痛みの伝達を抑えるための神経であり、慢性疼痛ではこの部分の働きが弱まっていることが研究により示されています。慢性腰痛や心因性疼痛、線維筋痛症などの鎮痛に用いられます。

例;サインバルタ、トリプタノール

下行性抑制系賦活薬:

抗うつ薬でも触れましたが、鎮痛には脳内のPAGが大きく関わりますが、下行性抑制系を強くする薬物があります。鎮痛作用はそれほど大きくないため、通常単独で使用されることは稀です。他の種類の鎮痛薬と併用することで、補助的に鎮痛効果を発揮します。ほぼ副作用が生じない大変安全な薬でもあります。

例;ノイロトロピン

痛み治療に用いる東洋薬

痛み治療に用いられる代表的な漢方薬をまとめます。

牛車腎気丸:

腎虚(腎は東洋医学で生命エネルギーの根源)により生じる痛みに用います。高齢者の腰痛や下肢痛によく用いられます。

芍薬甘草湯:

こむら返りなどに頻用されます。筋緊張を抑制する作用があるため、筋緊張からくる痛み全般に使用されます。長期の使用は偽アルドステロン症という副作用を生じる恐れがあるため、漫然と使用を続けないように注意します。

葛根湯:

風邪のひき始めによく用いられるため、広く知られている漢方薬です。首や肩周りを温めて緊張を取る作用があり、頚部痛やひどい肩こりなどに用います。

疎経活血湯:

​硬直した筋肉に血液を巡らせ筋肉を和らげます。筋緊張からくる痛みや、血流が途絶えて痛みが生じている場合に用います。急性腰痛症から慢性腰痛、筋筋膜性腰痛症などに幅広く使用します。

薬物療法Q&A

Q:他の病院でもらっている痛み止めを処方して欲しいんですが。

A:基本的に当院ではあらゆる薬剤の処方が可能です。他の病院から出ている処方薬もお出しすることができます。症状の原因に対して効果が出ていない場合や、他の処方薬の方が有効であると思われる場合には、原因に合った処方薬をご提案することがあります。

Q:よくテレビでサプリメントの宣伝をやっているけど飲んだ方がいいですか。

A:サプリメントは医薬品でないため、医師からお勧めするようなものではありません。治療効果が科学的に立証されれば医薬品となるため、その場合には処方薬としてお出しすることもあるかもしれません。サプリメントの中には、処方薬との飲み合わせが悪いものも存在するため、ご使用になる際には一言医師へお伝えください。

Q:薬物療法は原因を治療してないのでは?

A:ここで挙げた治療薬については基本的に症状を取る薬剤ですので、根本が解決されない可能性はあると思います。症状が強い場合、生活の質が著しく下がるため、対症療法でも痛みを緩和していく必要はあると思います。痛みが緩和してくれば動くことができるようになるため、リハビリテーションや神経ブロック療法など他の治療と組み合わせて根本的に治療をしていくことも可能となります。

Q:他のクリニックで処方が出ているけど、痛み止めは使っても平気?

A:飲み合わせの問題や、腎機能肝機能障害を予防する目的に他院で処方された薬剤の内容を確認させて頂いています。初診時、再診時に関わらず「お薬手帳」を持参してください。