頚椎椎間板ヘルニアによる首や肩の痛み、腕のしびれでお悩みの方に向けて、自宅で安全に行える3つの効果的なエクササイズをご紹介します。
これらのエクササイズは、症状の緩和と日常生活の質の向上に役立ちます。
自宅でのリハビリの重要性
専門医による診断や治療、専門家によるリハビリテーションは重要ですが、日々の自宅でのケアも回復の鍵となります。自宅リハビリには以下のような利点があります。
- 症状の早期改善
- 再発リスクの低減
- 自己管理能力の向上
- 医療費の抑制
それでは、具体的なエクササイズを見ていきましょう。
1. 頚部のストレッチ(右側の首のストレッチ)
このストレッチは、首の筋肉の緊張を和らげ、可動域を改善します。
【手順】
- リラックスした姿勢で椅子に座ります。
- 左手を頭頂部に置き、右のこめかみ付近に指先を当てます。
- 手の重みを利用して、ゆっくりと頭を左側に傾けます。
- 15〜30秒程度その姿勢を保ちます。
- ゆっくりと元の位置に戻します。
- 次に、左手を後頭部に回し、指先を右耳の後ろに当てます。
- 手の重みを利用して、ゆっくりと頭を左前側に傾けます。
- 再び15〜30秒程度その姿勢を保ちます。
- ゆっくりと元の位置に戻します。
- 反対側も同様に行います。
注意点
- 痛みを感じたら直ちに中止してください。
- 首を後ろに反らす動作は避けましょう。
- 動作はゆっくりと行い、呼吸を止めないよう注意してください。
日常生活への組み込み方
朝の準備時や仕事の休憩時間など、1日2〜3回行うのが理想的です。スマートフォンのリマインダー機能を活用するのも良いでしょう。
2. 胸部のストレッチ(右側の胸のストレッチ)
このストレッチは、猫背姿勢の改善と胸部の柔軟性向上に効果的です。猫背姿勢が改善されれば首へのストレスが軽減され頚部のヘルニア予防や症状改善に役立ちます
【手順】
- 壁に対して横向きに立ちます(右側が壁になるように)。
- 右側の手のひらと腕を壁につけます(肩と肘が同じ高さになる位置)。
- ゆっくりと体を左側にひねります。
- 右胸の前側が伸ばされるのを感じた状態で15〜30秒キープします。
- ゆっくりと元の位置に戻します。
- 反対側も同様に行います。
注意点:
- 無理に体をひねらず、心地よい伸びを感じる程度に留めましょう。
- 肩に痛みがある場合は、腕の位置を少し下げてみてください。
- 呼吸を止めずに、ゆっくりと深い呼吸を続けます。
日常生活への組み込み方:
デスクワークの合間や、入浴後のストレッチタイムなどに組み込むと良いでしょう。壁だけでなく、ドアフレームを利用して行うこともできます。
3. 等尺性頚部エクササイズ
このエクササイズは、首の筋力を向上させ、頚椎の安定性を高めます。
手順:
- 座位または立位で、背筋を伸ばします。
- 右手を額に当て、頭を前に押し出そうとしますが、手で抵抗をかけて動かさないようにします。
- 5〜10秒間その姿勢を保ちます。
- 同様に、後頭部に手を当てて後ろに押す、左右の側頭部に手を当てて横に押すなど、各方向で行います。
- 各方向3〜5回ずつ繰り返します。
注意点:
- 力を入れすぎないよう注意しましょう。
- 呼吸を止めないように気をつけてください。
- めまいや吐き気を感じたら、すぐに中止してください。
日常生活への組み込み方:
テレビを見ながらや、電車の中など、座っている時間を利用して行えます。ただし、人目が気になる場所では控えめに行いましょう。
リハビリを成功させるためのポイント
- 段階的に進める: 無理をせず、徐々に回数や強度を上げていきましょう。
- 一貫性を保つ: 毎日短時間でも続けることが大切です。
- 姿勢に注意: 日常生活でも良い姿勢を意識しましょう。
- 環境を整える: 適切な枕や椅子を使用し、作業環境を整えましょう。
- 全身の健康に気を配る: 十分な睡眠、バランスの取れた食事、適度な運動を心がけましょう。
- 専門家のサポートを受ける: 定期的に専門医の診察を受け、プログラムの調整を行うことをおすすめします。
まとめ
頚椎椎間板ヘルニアの回復には、適切で継続的なリハビリテーションが不可欠です。本記事で紹介した3つのエクササイズを日常生活に取り入れることで、症状の改善と再発予防に貢献するはずです。
ただ、今回ご紹介したエクササイズは、患者様の状態や症状の程度によって頻度や時間、強度などが重要になりますので、症状がある方は実施する前に専門家へと助言を求めることをおすすめします。