冷えと痛みについて(写真はイメージ)

 

皆さん、こんにちは。帝都メディカルクリニックの院長、藤田です。

 

当クリニックでは「ペインクリニック」を開設しており、痛みの治療を専門としています。このブログでは、痛みに悩まれている方々にお役に立てるよう、痛みに関する情報を発信しています。

 

夏も近づき、気温が上がってくる今日この頃、エアコンを使い始めている方も多いかと思います。しかし、エアコンが効き過ぎた部屋で体が冷えると、体のあちこちで痛みが出てくることがあります。そこで、今回は「冷えと痛み」について記事にしたいと思います。

1. 冷えとは?

冷えと聞くと、体温が下がることを思い浮かべる方が多いかと思います。実際には、体温が下がると体が冷えますが、冷えと痛みには必ずしも体温との関連性はありません。

 

冷えには、「末梢循環不全(血の巡りの悪さ)」と「余分な水分貯留」が関係しています。ヒトは全身を温かな血液が循環することで温められていますが、末梢の血の巡りが悪くなると手足が冷えてきます。また、末梢を灌流した血液が再び心臓へ返ることで新たに心臓は温かい血液を巡らせますが、末梢に血液がうっ滞するといつまでも末梢に古い血液が充満することになり冷えてきます。さらに、皮下組織などに余分な水分が貯留すると、水が外気に冷やされて冷えてくることもあります。

2. 冷えをなくすには?

冷えをなくすには、適度な運動が効果的です。ウォーキングやストレッチ、エアロビクス、ホットヨガなどは冷え対策に最適ですし、健康増進にも役立ちます。

また、体を締め付ける服や下着は避け、足の循環を悪くするようなブーツも控えましょう。浮腫がある場合は、足のマッサージや足湯をすることが有効です。睡眠中の弾性ストッキングの着用もおすすめです。

3. 冷えを防ぐ食材

冷えを防ぐには、食事に以下の食材を取り入れることが効果的です。

  • 野菜類:ニンジン、カボチャなど
  • 肉類:鶏肉、羊肉など
  • 香辛料:シナモン、ショウガ(温めたもの)、葛湯など
  • 豆類:小豆、黒豆など

これらを摂取することで、体を内側から温めることができます。

4. 冷えを伴う危険な疾患

冷えには、動脈性の冷え、静脈性の冷え、水分貯留による冷えがあります。これらに伴う危険な疾患には、以下のものがあります。

  • 動脈性の冷え:閉塞性動脈硬化症
  • 静脈性の冷え:深部静脈血栓症や血栓性静脈瘤
  • 水分貯留による冷え:心疾患や腎疾患

これらの症状がある場合は、医療機関を受診し、医師に相談することをおすすめします。

まとめ

冷えが続くと、痛みを引き起こすことがあります。適度な運動や、冷えを防ぐ食材を取り入れることで、冷えを改善することができます。しかし、症状が重篤である場合は、医療機関を受診することをおすすめします。

以上が、冷えと痛みについての記事でした。痛みを悪化させないように、日頃の生活で工夫しながら乗り切っていきましょう。